会社員の菅野美佳さん(48)は、18歳、20歳、22歳と3人のお子さんのお母様でもあります。「やっと子供に手がかからなくなって、自分の時間ができてきました」と菅野さん。

娘さんのお友達のお母様、つまり、ママ友からのご紹介で、toto::に訪れたのが4年前。

「たとえば、はねるのが気になるといった悩みを一生懸命考えてくださるし、話もしやすくて。それまで美容室で気に入ったところがなかったんです。高いから、有名だからいいってわけではなくて、やっぱり相性なのでしょうか」と菅野さん。いまでは1か月に１回は訪れるといいます。

リクエストはいつも、すべてお任せ。

「でも飽きっぽいんです。伸ばしているのに突然ショートにしてみたくなったりして。“そろそろ飽きた頃ですか?”と、そんな気分も察してくれるのが藤本さんです」(菅野さん)。すっかり気心が知れた関係のようです。

今回、藤本さんが提案したスタイルは、「素敵なお母さん」がイメージ。

「息子さんや娘さんとすごく仲がいい菅野さん。高校3年生の娘さんとオープンキャンパスに同行されたりしている時期なので、娘さんにとって、一緒にいて自慢のお母様をイメージしました」(藤本さん)

カットベースはミディアムレングスのレイヤースタイル。

アウトラインのカットを30度角度を上げてカットすることで、自然な丸みをつけます。そのアウトラインを2㎝ほど厚みを残してレイヤーを入れることで、揺れる動きがエレガントに。

また、菅野さんのお悩み「分け目が目立つ。トップのボリュームがない」を解決するために、分け目のラインの端4㎝くらいにさらにレイヤーを入れます。

ツヤ感と束感を出すためにスライドカットを入れて、髪のニュアンスと骨格の補正をするように立体的なかたちを作ります。

カラーはミルボンのオルディーブボーテを使用。グレイカラーとファッションカラーを混合させ、９レベルで全体を。顔周りとハチ上に11レベルのベージュでハイライトを細かく入れています。

「月1回のペースに通っていただいているので明るいカラーを提案させていただいています。色味も楽しめるし印象チェンジもしやすい。細かいハイライトを入れることで白髪をぼかし、毛流れがきれいに表現できるという効果も。グレイカラーとファッションカラーを混合することで透明感のある色味表現ができます」(藤本さん)

パーマは2か月前にかけたものが残っている状態。ランダムな動きと重なりを出すためにフォワードとリバースを交互に重ね、角度45度前後で毛先巻きをしています。

「菅野さんの前髪には生えグセがあるのと、動作のクセで左手で髪をかきあげるクセがあるんです。顔立ちも綺麗で整っているのでエレガント。ですが、近寄りがたい印象にもなりがちなので、前髪の長さ、首周りのボリューム感を、“長すぎず・重すぎず・やわらかに”を意識しています」(藤本さん)

「個性、髪質、季節感などを考えていただき、いつも大満足な仕上がりです」と菅野さん。

生活スタイルから生えぐせまで深く理解してもらえる美容師さんとの関係。ほんとうに贅沢で、うらやましくなりました。

へアサロン：toto::regalo　ヘア担当：藤本裕之さん

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撮影：中村彰男　文：丸山はなこ

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