2013年02月25日
ユニークピースでは、40代、50代の女性のヘアケアについても詳しく触れていきたいと思っています。このヘアケア講座を担当してくださるのは原宿の美容室Cura(クーラ)の浜口雄一さん。
浜口さんは、「ヘアケアマイスター」と言ってもいいほどの知識と腕の持ち主。美容業界でシャンプーやトリートメントを開発するメーカーさんが口をそろえて「研究開発部の人と同じくらいヘアケアに詳しい美容師さん」と言うヘアケア博士です。浜口さん(通称浜ちゃん)には、大人の女性のヘアケアについて、定期的に連載してもらいます。お楽しみに!
さて、第1回目のテーマは「40代の髪におこっていること」と題して、髪のトラブルの原因を教えてもらいました。
増田:40代になると、髪の悩みが多様化します。白髪や薄毛、ボリュームが出にくくなる、ツヤがなくなる、髪がやせる、それからクセが出やすくなるというような悩みもよく聞きます。実際のところ、私たちの髪に何がおこっているんでしょうか?
浜口:ひとことに大人の髪の悩みといっても、いろんな原因があるんです。対策をたてる前に、どんな原因があるのかを知っておくことは大事なこと。こちらの表にまとめました。
増田:大きく分けて4つの原因があるんですね。
浜口:まず、血行が悪くなって、髪に悩みが出てくるパターン。髪は毛根に栄養がいって細胞分裂します。血行が悪くなると、その毛根への栄養の供給が減ってしまうんですね。そうすると、髪がやせて細くなったり、ツヤがなくなるケースもありますね。クセが出やすくなるというのは、髪が細くなるとふにゃっと曲がりやすくなるんですよね。針金も太くて硬いとまっすぐのまま自立しますが、糸みたいに細い針金はふんにゃりしますよね。それと同じです。
増田:2番めの代謝が落ちるというのも、ひしひし感じる今日このごろですが(笑)、代謝がおちることが髪にも影響するんですね。
浜口:代謝が落ちると何がおこるかというと、頭皮の皮脂が減少するんです。
増田:え? 皮脂って、減少しちゃだめなんですか? 頭皮は綺麗に洗い上げて、油がないほうがいいんだと思っていました。
浜口:うーん、ちょっと違うんですよね。髪のツヤって、皮脂ですから。皮脂量が減ると、やはりツヤが出なくなりますし、ぱさつきやすくなります。
増田:わ。知らなかった。。。3番めはよく聞きます。頭皮がさがってくると毛穴が円形じゃなくて楕円形になって、髪が健やかに生えてこなくなるっていうのですよね?
浜口:それも正確にはちょっとニュアンスが違うんです。毛穴が楕円形になるというよりは、その毛穴の奥にある筒が変形するのが良くないんですよね。毛穴自体は楕円形でも問題ないのですが、筒が曲がると、健康な髪が生えてきにくいんです。
増田:どうして筒が曲がるんですか?
浜口:加齢によって表皮はさがるんですけれど、真皮はさがらないんですよ。だから、そこに段差ができて、毛が生えてくる通り道が曲がるんです。
増田:う。リアルですね。解決法ってあるんですか?
浜口:ヘッドスパやマッサージなどがいいのですが、詳しくはまた次回以降にお話ししますね。
増田:待ってます!
図を書きながら説明してくれる浜口さん
増田:最後に。白髪と薄毛の原因は……
浜口:これはまだ解明されていないことも多いのですが、髪を細胞分裂させる工場のトラブルであることはわかっています。人間の毛を作っている細胞分裂工場があって、その工場のすぐ横に着色工場があるんです。それぞれは提携しているけれど独立しています。その着色工場がストに入っちゃうと、白髪になっていくんですね。着色工場だけではなく細胞分裂工場がストに入ると、薄毛になっていきます。
増田:薄毛って、自己判断できるものですか?
浜口:そうですね。あ、増田さん、こんな話知ってますか? 人間の髪は約10万本と言われているのですが、これ、毛穴が10万個あるわけじゃないんですよ。毛穴の数はその3分の1から4分の1。つまり、人間の髪は、ひとつの毛穴から3、4本髪が生えているんですね。
増田:そっか、そう言われてみると、確かにそうですね。
浜口:薄毛の人は、その1つの毛穴から出てくる毛の量が減ってしまうんです。毛穴から1本しか毛が出てこなくなったり、出てきても短い毛だったり。ですから、薄毛が進行しているかどうかは、ひとつの毛穴から何本髪が出ているかということをチェックするのがいいですね。顔周りは、特に薄くなりやすい部分です。
増田:ひとくちに髪の悩みといっても、いろんな要因が重なっているんですね。
浜口:次回は、それらの悩みの対処法をお話しますね。
増田:ありがとうございます!
解説:浜口雄一さん
ヘアサロン:Cura(クーラ)